再び空へ奇襲-零戦からMRJ
“メード・イン・ジャパンの小型ジェット旅客機”の周りには、黒
山の人だかりができた。
英ファンボローで7月に行われた航空ショー。三菱航空機が売り込
みを図る「三菱リージョナルジェット(MRJ)」の模型などが展
示されたブースは熱気に包まれていた。
「まだ実際に飛んでいない飛行機だが、競合機より2割優れた燃費
や室内の広さなどの技術面、飛行開始後の具体的なサポート体制を
ひたすら丁寧に説明することで信頼を少しずつ得てきた」。川井昭
陽社長はこう手応えを示す。
採算ライン目前
航空ショーでは、ミャンマーの「エア・マンダレー」から10機の
受注に成功。
総受注数はこれで、最大25機の納入を決めている全日本空輸分を
含めて335機となった。
今後20年で2500機という最終目標にはまだ及ばないものの、
100人乗りクラス機の採算ラインとされる400~500機はも
う目の前だ。
航空ショーでは、別の日本企業も脚光を浴びた。
米ボーイングの次世代大型旅客機「B777X」に搭載予定の米ゼ
ネラル・エレクトリック(GE)製エンジン「GE9X」。
このエンジンの10%以上の開発・製造を担当するIHIだ。
「確実な収益が見込める将来性のあるプログラム。全社を挙げて取
り組む」。GE9Xのセレモニーであいさつに立った満岡次郎航空
宇宙事業本部長は笑顔を見せた。
IHIのブースには、欧州エアバスの新型機「A320neo」の
エンジンに採用される炭素繊維複合材の部品も展示された。
日本企業は今や、世界の航空機製造の現場で大きな存在となりつつ
ある。
ボーイングの最新鋭旅客機「B787」で機体の35%、「777
X」でも21%の開発・製造を担当する。
特に、燃費が重視される最近の旅客機には、軽量で耐衝撃性能の高
い日本製の炭素繊維複合材料が不可欠となっている。
ホンダは半世紀
MRJに先駆け、平成27年春の初号機納入が視野に入っているの
が、ホンダが開発を進めてきたビジネスジェット機「ホンダジェッ
ト」だ。
創業者の本田宗一郎氏が「軽飛行機を開発したい」と、航空機産業
への参入を宣言した昭和37年から実に半世紀の時を経て、ようや
く実現する。
MRJやホンダジェットの開発で、再び世界の空に羽ばたこうとし
ている日本の航空産業。
ただ、MRJのような100人クラスの旅客機は、航空機製造の2
強であるボーイングとエアバスが力を入れてこなかったからこそ、
参入が可能になったという側面もある。
海外メーカー関係者は「日本が100人以上の旅客機に手を伸ばせ
ば、ボーイングやエアバスは確実に潰しに来る」と真顔で話す。
数百万点の部品
この世界で欧米の壁はまだまだ高い。
旅客機の開発には、部品や製造方法の安全性を証明することが不可
欠だが、型式証明などのさまざまな基準は欧米で作られる。
実際、三菱航空機がMRJの開発に入る直前に、審査基準が一段と
厳しくなったという。
ただ、高い壁を乗り越えて、航空機を国内で製造することの意味は
大きい。航空機の部品は数百万点といわれる。
2万~3万点とされる自動車部品の数百倍だ。川井社長は「MRJ
が飛ぶことをきっかけに、国内でも重要部品などを製造する装備品
メーカーが育ち、航空産業が日本の国の産業として発展してほし
い」と話す。
足元では、コストを売りにする中国など新興国も追い上げている。
東大の鈴木真二教授(航空宇宙工学)は「今後、航空機には高度な
自動化がさらに求められる。こうした技術は産官学が連携して日本
が先導すべき領域だ」と指摘する。
日本は低コスト競争に振り回されるのではなく、付加価値での勝負
が求められる。
戦後70年を来年に控え、日本の航空産業は、再び挑戦の時を迎
えている。
「産経ニュース」より抜粋。
三菱リージョナルジェット(MRJ)は零戦の再来になるのか?
2割優れた燃費や室内の広さなどの技術面を売り込んで、信頼を少
しずつ得てきたようですね。
日本の技術ってすごいですね!!!!
燃費が重視される最近の旅客機には、軽量で耐衝撃性能の高い日本
製の炭素繊維複合材料が不可欠となっているようですね。きっと他
の国にはまねが出来ないのでしょうね。
日本が航空産業に参入するには、まだ高い壁があるようで欧米の嫌
がらせがあるみたいでセコイナ~。
それには負けないで、高い壁に挑んでください。
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