福島第1原発事故吉田調書抄録(8)
福島第1原発事故 吉田調書 第8回目です。
注水活動「申し訳ないがすべて意味なかった」 ヘリ放水「セミの小便」
東京電力福島第1原発事故で、所長として現場の指揮を執った吉田昌郎
氏の聞き取り調査をまとめた「吉田調書」。8回目は、自衛隊や警察、消
防の注水活動に関する証言をまとめた。
〈平成23年3月16日以降、3、4号機の燃料貯蔵プールに燃料を冷
却する水があるかが課題となっていた。
プールの燃料は水位が下がればむき出しの状態となり被害は甚大となる。
爆発で建屋上部が破壊されていたため、上部からの放水が検討されていた
〉
〈17日には陸上自衛隊のヘリを使って上空から4回、3号機燃料貯蔵
プールへ約30トン放水され、警視庁機動隊と自衛隊の高圧放水車も地上
から放水した。19日には東京消防庁の消防車も放水を始めた〉
--ヘリによる放水は午前9時48分に開始とあります
吉田氏「セミの小便みたいですね」
--所長は自衛隊とか警視庁などの人たちが来たときは、そこの責任者
と事前に話をするとか、ありましたか
吉田氏「ないです」
--彼らはどういう感じなんですか。
吉田氏「各組織によって違うんです。自衛隊と消防庁、機動隊全部違う
んです。指揮命令系統も各々違う。自衛隊さんは自衛隊さんの上の方とい
ろいろ調整して、何時に出動するとか言うんですけども、出動するといっ
てもなかなか出動しないし、途中で引き返すし、何やっているんだという
感じでした」
--何でそんな、あれだったのですか
吉田氏「やはり線量の高い所に来るのは、はっきり言ってみんな嫌なん
です」
--自衛隊によるヘリ、警視庁の高圧放水車、消防庁の注水とあって、
この中でこれは良かった、これは駄目だったというのはありますか
吉田氏「機動隊さんのものは最初に来てもらったんだけれども、余り役
に立たなかったんです。要するに効果がなかった」
--効果がないというのは
吉田氏「水が入らなかったということです」
--自衛隊のものはどうでしたか
吉田氏「はっきり言って今から申しますと、すべて意味がなかったです。
注水量的に全部入ったとして10トンとか20トンの世界ですから。燃料
プールの表面積から考えて全部入ったとしても意味がない」
--消防庁のものは効いてないんですね
吉田氏「全く効いていないです。だから、ヘリも効いてないし、自衛隊
さんも申し訳ないけれども量的に効いていないし、消防庁も効いていない
し、機動隊は全く効いていなかったと思います」
〈自衛隊、警察、消防が懸命の思いで注水活動にあたったが、高圧放水
車や消防車は用途が違うため難航した。22日には新たにコンクリートポ
ンプ車(通称・キリン)が導入され4号機で注水開始。27日にはキリン
を3号機にも導入した〉
--(キリンなど)ああいうものはどうなんですか
吉田氏「あれはいいです。あれが来て初めてちゃんと注水できたという
ことです。筒先をプールの近くに持っていって入れますから、ロスがほと
んどなくて全部水が入るというのがキリン以降の話です」
--これは東電なり本店からそういう話があったのですか
吉田氏「(自衛隊、警視庁、消防庁の)ピュッピュン作戦は、効いたと
してもずっと続けないといけない。連続注水できるということでコンク
リート注入車が使えるのではないかというのが本店からあって、キリン部
隊というのを本店で作ってくれたんです。
その連中が動かし方などをマスターして、やってみたらそれなりに水が入
るということで、自衛隊さん消防庁さんのお世話にならずに済んだという
ことです」
「産経ニュース」より抜粋。
ヘリで放水したって、的に適量の水を放水なんて無理です。
山火事だって効果は薄いから、すぐに消せないでしょうが・・・
判っていて実施させたのでしょうか?
当時の首相は。
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