福島第1原発事故吉田調書抄録(10)
福島第1原発事故 吉田調書 第10回目です
「死んだと思った」 チャイナシンドロームと「東日本壊滅」
東京電力福島第1原発事故で、所長として現場の指揮を執った吉田昌郎
氏の聞き取り調査をまとめた「吉田調書」。最終回は吉田氏らの緊張が
ピークに達した2号機をめぐる証言をまとめた。
死んだと思った
〈平成23年3月14日午後、福島第1原発1、3号機に続いて2号機
が緊急事態に陥った。原子炉の冷却機能が失われ、炉内圧力が上昇。炉内
を冷却するために「原子炉主蒸気逃がし安全弁」(SR弁)を開いて、圧
力を下げて注水しようとしたが作業は進まなかった〉
--(14日の)16時30分くらいから減圧操作を開始したが、手間
取った
吉田氏「(現場からの報告では)バルブが開かないと」
吉田氏「何せ焦っていたんで、早く減圧させろと。私自身、パニックに
なっていました」
--SR弁がなかなか開かないというところから、夜に行くぐらいのこ
ろ、退避なども検討しなければいけないのではないかみたいな話というの
は出ていた。
吉田氏「(略)廊下にも協力企業だとかがいて、完全に燃料露出してい
るにもかかわらず、減圧もできない、水も入らないという状態が来ました
ので、私は本当にここだけは一番思い出したくないところです。ここで本
当に死んだと思ったんです」
吉田氏「これで2号機はこのまま水が入らないでメルトして、完全に格
納容器の圧力をぶち破って燃料が全部出てしまう。
その分の放射能が全部外にまき散らされる最悪の事故ですから。チェルノ
ブイリ級ではなくてチャイナシンドロームではないですけれども、ああい
う状況になってしまう」
〈炉内から冷却水がなくなれば、核燃料が溶け落ちるメルトダウン状態
に陥る。さらに溶融した炉心が格納容器の底に穴を開ける最悪の事態がメ
ルトスルーだ。
映画「チャイナシンドローム」は米国の原発事故でメルトスルーした核燃
料が地球の内部を溶かしながら進み裏側の中国にまで達するという設定。
現実には起こらないとされる〉
吉田氏「そうすると、1号、3号の注水も停止しないといけない。ここ
から退避しないといけない。放射能は、今の状況より現段階よりも広範囲、
高濃度で、まき散らす部分もありますけれども、まず免震重要棟の近くに
いる人間の命に関わると思っていました。(中略)みんなに恐怖感与えま
すから、電話で武藤(栄副社長)に言ったのかな。ここは私が一番思い出
したくないところです、はっきり言って」
--それは、SR弁がなかなか開かないからか
吉田氏「開いたんです。(中略)SR弁が開いたにもかかわらず圧が落
ちない。もう一つは(炉圧が下がったのに)消防車の燃料がなくなって水
を入れるというタイミングのときに入らない。そこでもまたがくっときて、
これでもう私はダメだと思ったんですよ。ここが一番死に時というかです
ね」
燃料が全部外に
--14日の夜中の話か
吉田氏「19時ぐらいからですかね。実際はですね」
--ようやく減圧した21時ごろにタイミング悪く消防車が燃料切れし
た
吉田氏「そうです。(中略)水が入ったら逆に今度は水が加熱した燃料
に触れますから、ふわっとフラッシュして、それで圧力がぐっと上がって
しまったという現象だと思っているんですけど、また水が入らなくなる」
--(深刻だったのは)3号機よりも2号機
吉田氏「3号機は水を入れていましたでしょう。1号機も水を入れてい
ましたでしょう。
(2号機は)水が入らないんですもの。水が入らなければただ溶けていく
だけですから燃料が。燃料が溶けて1200度になりますと、何も冷やさ
ないと圧力容器の壁抜きますから、それから格納容器の壁もそのどろどろ
で抜きますから、チャイナシンドロームになってしまうわけです。
(中略)燃料が全部外に出てしまう。プルトニウムであれ、何であれ、今
のセシウムどころの話ではないわけですよ。放射性物質が全部出てしまう
わけですからわれわれのイメージは東日本壊滅ですよ」
--すぐに退避というふうになっていない
吉田氏「水がやっと入ったんですよ。あとはずっと水を入れ続けるだけ
だということで、やっと助かったというタイミングがあるんです」 (肩
書は当時)
「産経ニュース」より抜粋。
知らなかったです。
2号機が深刻だったとは。
もし2号機に水が入らなかったら、「チャイナシンドローム」になってい
たなんて。そうなれば本当に日本壊滅状態でしたね!!!
原発事故は恐ろしいです。
今の原子力安全機構でしたっけ?、津波の想定基準を福島で起きた津波の
高さに変更しただけでは、将来本当に安全なのでしょうか?
次はその倍の津波が来るかも知れません。
だからって化石燃料に頼っていたら、家庭の電気料金はうなぎ登りのよう
に上がっていきます。
そうしたら我々低所得者層は、死ねと言ってるようなもんです。
私は、原発は全面撤廃に反対です。
日本人は頭がいいので、違う恒久対策案がでてくると思います。
それに対して政府は、おしまなくお金を出せばいいと思います。
これは一個人の見解です。
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